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理学療法の知識と基礎 病院・クリニック・介護施設の勤務を経て辿りついた思いです.

縦・横アーチの動き            

内側縦アーチ

負荷の無い時、踵骨隆起は、地面から7〜10mm上にあるが、力が加わると1.5mm低下し、前方突起も4mm低下する。距骨は踵上を後方に動き、舟状骨は地面に近づくにつれて、距骨頭の上に乗りあがり、楔舟関節と楔中足関節が下方に開く。第1中足骨と地面のなす角度は減少し、踵は後退し、種子骨はわずかに前方へ移動する。


外側縦アーチ

内側縦アーチと同様な踵骨の垂直移動が生じる。立方骨は4mm低下し第5中足骨外側粗面は、3.5mm低下する。踵立方関節と立方中足関節は下方に開き踵は後退し、第5中足骨頭はわずかに前方へ移動する。


前部横アーチ

負荷がかかるとアーチは、平坦化し、第2中足骨を中心に両側に開く。第1と第2中足骨間は5mm増大し、第2と第3中足骨間は2mm、第3と第4中足骨間は4mm、第4と第5中足骨間は1.5mm、それぞれ増大する。そのため体重がかかった時、前足部は12.5mm広くなる。

横方向の湾曲は、楔状骨および舟状骨の両方のレベルでも、低下する。そしてこの2つの横アーチは、外側に傾き、この角度は内側アーチの平坦化の程度に比例する。さらに、距骨頭は、2〜6mm内側に動き、踵骨前方突起は2〜4mm内側に移動する。これが横足根関節での足の捻れを引き起こす。後足部の軸は内側へ動き、前側部の軸は外側へ移動する。後側部は内転−回内と軽度伸展を行い、前側部は相対的に屈曲−外転−回外運動を生じることになる。

 

次に歩行を行う時に起こる変化である。

歩行する際、足底部における圧力は移動する。まず踵の部分で地面に接し、踵にかかった圧力は足の小趾側を縦軸に移動し、第5中足骨頭部から、母趾側に移動して、母趾の中足趾節関節で蹴り、身体を移動させていく。この時の足部においてどのような変化が起こっているのかを見ていく。

歩行は大きく分けると、遊脚相と立脚相に分けられる。足に負荷がかかるのは立脚相である。この時足のアーチは圧迫と伸張の力を受け、この時アーチの弾力的な緩衝器としての機能を発揮する。立脚相をさらに4つの相(接地の完成期、最大接地期、能動的推進第1期、能動的推進第2期)に分ける。そして、この時の動的変化を見ていく。